介護業界×配車スケジュールのシステム開発

「プロトタイピング」で仕様合意の高速化に成功

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「プロトタイピング」で仕様合意の高速化に成功

会社名

株式会社日本ケアサプライ

住所

〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1番30号 芝タワー9階

事業内容

福祉用具レンタル卸事業、生活支援物販、食事サービス、ITを活用した支援サービス

福祉用具レンタル卸事業のパイオニアとして1998年に三菱商事の子会社として設立。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、介護事業者向けに福祉用具のレンタルや販売を行うことを中核事業としながら、高齢者の多様なニーズに応えるため、生活支援物販や食事サービス、ITを活用した支援サービスなど、事業領域を拡大しています。

POINT

1

人材不足によるドライバー不足で配送業務を効率化させる必要があった

2

情報管理の観点から紙管理からの脱却が必要だった

3

配送業務のオペレーションシステムの構築が急務に

4

コスト/クオリティ/RFPの要件合意に大きく貢献した『SAAP」

5

要件定義の見える化「プロトタイピング」でリリースまでのスピードを大幅アップ

SCENE

SCENE

システム化によって配送管理業務のプロセスが全社で標準化

システム化によって配送管理業務のプロセスが全社で標準化

配送ドライバーが持ち歩くスマートフォンから直接インターネット経由でシステムにアクセス。配送情報を直接参照できるようになったことで、配送情報を記した紙の帳票を持ち歩く必要がなくなり、かつての悩みの種の1つだった「個人情報漏えいのリスク」も一掃。

今回実現した配送管理システムについても「一度導入したら終わり」ではなく、より高い導入効果を求めて今後も適宜機能強化や改修を続けている。リリースしてからも既にかなり手を加えており、将来的には最適な配送ルートや人員配置を提案してくれる機能なども実装予定。

INTERVIEW

人材不足によるドライバー不足で配送業務を効率化させる必要があった

東京都港区に本社を置く株式会社日本ケアサプライ(以下、日本ケアサプライ)は、全国の介護事業者向けに介護用品のレンタル卸・販売サービスを展開する企業。

杖や車椅子、介護ベッドといった介護用品は、要介護者の容態の変化に伴い需要も変わっていくため、必要になるたびに新たに購入していてはコスト負担が膨らんでしまう。その点レンタルサービスはコストを抑えつつ利便性も高いため、要介護者やその家族にとってメリットが大きい。現在では数多くの事業者がこうしたサービスを提供しているが、中でも日本ケアサプライはその先駆けとしていち早く全国にサービスを展開し、市場をリードしてきた。

同社のビジネスモデルは、介護ショップに対して同社が保有する介護用品を貸し出し、介護ショップがさらにそれをエンドユーザーに対してレンタルするという仕組みになっている。エンドユーザー側のニーズが変わり、別の介護用品が必要になった場合には、それまでレンタルしていた用品を回収して新たなものを貸し出す。

このように介護用品の貸し出しと回収のために頻繁にモノを運ぶ必要があるため、同社のビジネスモデルにおいて配送業務は極めて大きなウェイトを占める。その一方で、近年の人手不足によりトラックドライバーの新規確保は難しく、何らかの対策を打つ必要性にも迫られていたという。

情報管理の観点から紙管理からの脱却が必要だった

「介護用品の配送を担当するドライバー不足を補うには、現在の配送業務をより効率化する必要がありました。さらに配送担当者は配送先に関する情報を紙に印刷して持ち運んでいたのですが、ごく稀に紙を紛失したり、カバンや車両ごと盗まれるような事件も起こっており、個人情報保護の観点からも何らかの対策が必要でした」

こう語るのは、日本ケアサプライ 情報システム部 執行役員 CIO 兼 部長 渡辺 実氏。同社はもともと全社方針として、ITの積極活用により業務の効率および品質を向上させる取り組みに長年取り組んでおり、配送にまつわるこれらの課題についても業務のシステム化とペーパーレス化による解決を模索することになった。

日本ケアサプライ 情報システム部 執行役員 CIO 兼 部長 渡辺 実 様

配送業務のオペレーションシステムの構築が急務に

それまで同社の配送作業のスケジュール調整は、各営業所の担当者が手作業で行っていた。基幹システムから入手した配送情報(配送商品、配送日時、配送先の住所など)を基に、担当者が車両やドライバーなどの稼働状況を加味しながらホワイトボードに作業スケジュールを直接書き込んだり、付箋紙を貼ったりといった「マニュアル作業」にもっぱら頼っていた。

そこでこれらの作業をシステム化し、これまで各担当者の経験と勘に頼っていた配送管理業務を標準化することで担当者間のスキルの差を埋め、全社レベルで配送業務の効率化と品質向上を図ることになった。

コスト/クオリティ/RFPの要件合意に大きく貢献した「SAAP」

開発するシステムは必要かつ、他社の配送管理システムの開発実績やベンダーの企業規模を勘案。配送管理システム開発において、予定調整の効率化や配達品質向上など一連機能をワンストップした同社の要件を満たすためにRFPを発行した。

その結果最終的に同社が開発パートナーとして選んだのが、株式会社A-ZiP(以下、A-ZiP)であり「SAAP」だった。同社を選定した理由について、渡辺氏は次のように説明する。

A-ZiP社のWebサイトに公開されていた配車管理システムの構築事例を拝見して、弊社のニーズにおおむね合致していると判断しました。 他の候補にもRFPの回答をお願いしましたが、他社の提案はどれも5割から8割程度の要件しか満たせていませんでした。「SAAP」を活用した A-ZiPさんの提案は唯一、弊社の要件をすべてクリアしていたため、最終的にお願いすることに決まりました」

要件定義の見える化「プロトタイピング」でリリースまでのスピードを大幅アップ

配送管理システムの開発プロジェクトは、まず営業所で行われている「ホワイトボードを使った配送業務実務」の詳しい内容を担当者からヒアリングし、次にこれを踏まえた要件のシステム化再現するための設計作業へと進んでいった。この過程において大きな力を発揮したのが「SAAP」を使ったプロトタイプビルドだった。

A-ZiP システム開発部 システム開発課 課長 飛田 章吾は、SAAPを使ったシステム開発の強みについて次のように話す。

「SAAPを使った開発では、要件を素案的に実現に動くプロトタイプが作成されます。 日が経つにつれて要件がブラッシュアップされる中で、システムがどのように変わっていくのかを発注者が確認しながら開発を進められるので、システムリリースに至るまでのプロセスが非常に透明化され、スピードアップされていきます」

株式会社A-ZiP システム開発部 システム開発課 課長 飛田 章吾

約1年間の開発期間の後、新しい配送管理システムは無事本番稼働を開始した。これまで各営業所の担当者の経験と勘に頼っていた配送管理作業が、このシステムの導入によって標準化されたことで、業務品質の平準化や底上げが実現できたと渡辺氏は語る。

「それまでは営業所間で担当者が異動になった場合、新たな職場での業務ルールをまた1から学び直す必要があったのですが、システム化によって配送管理業務のプロセスが全社で標準化されたことで、そのような無駄な作業が不要になりました」

また配送ドライバーが持ち歩くスマートフォンから直接インターネット経由でシステムにアクセスし、配送情報を直接参照できるようになったことで、配送情報を記した紙の帳票を持ち歩く必要がなくなり、かつての悩みの種の1つだった「個人情報漏えいのリスク」も一掃できたという。

日本ケアサプライではIT活用による業務改善活動を定常的に行っており、今回実現した配送管理システムについても「一度導入したら終わり」ではなく、より高い導入効果を求めて今後も適宜機能強化や改修を続けていく予定だという。

「リリースしてから既にかなり手を加えていますし、将来的には最適な配送ルートや人員配置を提案してくれる機能などもぜひ実現したいと考えています。弊社とのより密接なパートナーシップ関係の下で、弊社のIT施策を長期的かつ包括的にご支援いただければと考えています」(渡辺氏)

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